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(https://archive.vn/tLBF2より)


皆さんは「志明館プロジェクト」をご存知でしょうか?

森友学園問題が花盛りだった頃、その「愛国」的姿勢から「九州の森友学園になるんじゃ……」と危惧された福岡県宗像市の小中一貫校開校プロジェクトのことです



"志明館は、愛国心を持った次世代エリートの育成を目的に地元経済人らでつくる発起人会と博多学園、宗像市の3者が15年1月に協定を結んで設立準備を進めていた。"
https://mainichi.jp/articles/20180818/k00/00m/040/188000c


"愛国心を持った次世代エリートの育成"とは、"「誇りと志ある日本人」の輩出"をする教育のことだそーです


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https://archive.vn/tLBF2より



今回は詳しく述べることは避けますが、上の画像を見て頂ければ、彼らがなにを考えているのか薄ぼんやりとはわかっていただけるかと思います


彼らの思い描く「日本」からなにが失われ、そして彼らはなにを取り戻そうとしているのか――そこいらあたりが端的に現れていますね


志明館プロジェクト(宗像市)の頓挫


実を言うと福岡県宗像市の志明館は、本来であれば、一昨年に小学校が開校しているはずでした


"計画では市有地約5万平方メートルに施設を建設し、学習塾不要の学力養成や週6日授業などを教育方針に掲げて19年4月に小学校、25年4月に中学校を開校予定だった。"
https://mainichi.jp/articles/20180818/k00/00m/040/188000c


記事の文章をよーく注意してみてください


……そう、福岡県宗像市の計画は【開校予定だった】という過去形なのですね



開校計画のため宗像市は土地の無償提供も画策していたのですが、喜ばしいことに、このときのプロジェクトは頓挫しています


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https://www.city.munakata.lg.jp/w034/050/080/0200/daihyou2703.pdfより


その経緯について、志明館発起人会幹事・古川忠福岡県会議員は次のように語っています


"古川県議によると、16年末ごろに建設予定地地下に硬い岩盤層があることがわかり、岩盤除去費用に約5億円かかることから学校建設を断念したという"
https://www.data-max.co.jp/article/21719


とのことでした


……もっとも宗像市による志明館誘致には、「ウヨウヨ教育だー!」という以外にも反対意見もあり、本当に岩盤除去費用のみの問題だったのかな、という疑問はありますが……

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https://www.city.munakata.lg.jp/w034/050/080/1130/seimusindome2.pdfより


宗像市のプロジェクトが頓挫した後、福岡県福津市や福岡市志賀島といった土地も志明館の候補として上がりましたが、いずれも駄目になったといいます


なので、僕もホッと胸を撫で下ろしていたのですが……


しかし、ここに来て、福岡県北九州市での開校がほぼほぼ確定したのです



志明館(北九州市)開校までの道のり


志明館プロジェクトの中心人物に、(一社)福岡中小企業経営者協会会長の山口秀範氏がいます



山口秀範氏は「寺小屋モデル」なる会社を経営しているのですが、そこの情報誌「寺小屋だより」(令和3年7月号)に次のようなことを書いています



"年来の宿望、小中一貫校「志明館」の開校に向けて、準備の佳境を迎えています。博多学園の八尋太郎理事長と意気投合し、日本一の小学校を作るための勉強会を立ち上げてから十三年の歳月が流れました。その間候補地は宗像、福津、志賀島と浮上し、いずれも諸事情により頓挫しました"
http://www.terakoya-model.co.jp/books/images/tayori089.pdf


このプロジェクトの核が、山口秀範氏と博多学園八尋太郎氏であることがわかりますね

引用を続けます


"そして今は北九州市小倉北区の小学校跡地利活用事業の公募に応じて、六月末に提案書提出、七月には市に設置される検討会のヒアリングを受け、八月中旬に事業者決定の運びとなります"
http://www.terakoya-model.co.jp/books/images/tayori089.pdf


さて、八月中旬といえば、ちょうどこの記事を書き始めた、まさに今現在です

そこで「北九州市小倉北区&小学校跡地」で検索してみたところ、北九州市の市政情報が出てきました

"【最優秀提案者の選定について(令和3年8月12日公開)】旧北小倉小学校の売却(公募型プロポーザル方式)に向けた事業者募集について"
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kikaku/25801220.html

そこで示されたPDFファイル(https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000941077.pdf)をダウンロードすると、



"事業者名:学校法人博多学園"

"実施事業:私立小中一貫校開校(校舎及び体育館は既存施設を改修して活用)"


が最優秀提案者に選ばれたことがわかります


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https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000941077.pdfより


これぞまさしく「志明館」です


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https://shimeikan.education/より


さて、ここで一点注意事項がありますが、実は、まだ「志明館」の開校が本決まりになったわけではありません


先程のファイルを見ると、3ページ目に


"6.今後のスケジュール(予定)"


として、以下のように書かれています


"・ 令和3年9月迄 当事業の事業化見込みの確認
・ 令和3年11月 仮契約締結
・ 令和4年 3 月 本契約締結(議会付議)
・ 令和4年3月末 所有権移転"

まだ、止めるチャンスはあるということです


言い訳と補足

志明館の実態(日本会議国民文化研究会に連なるウヨ人脈・ウヨウヨな教育方針)に迫った記事を書きたかったのですが、ちょっと時間がなくて……
モタモタしてると次の動きが来そうなので、とりあえずこれで公開させて頂きました



時間と気力のあるときに別で記事を書けたらいいなぁ、と思います


「そんなの待ってられねーよ!」という方は、福岡県宗像市でのプロジェクトを追ったTwitter有志の過去ログ↓をご覧下さい
https://togetter.com/li/1185423


また、志明館プロジェクトのホームページのアーカイブをご覧頂ければ、そのヤバさがわかるかと思います。


興味があればアーカイブサイトにホームページのURLを入力し、魚拓を検索してください

ホームページ:
https://shimeikan.education/

アーカイブ:
https://archive.vn/