2019年12月13日15時。フェミ科研費裁判の第3回口頭弁論期日ということで、毎度のことながら傍聴に行って来ました



フェミ科研費裁判は、杉田水脈議員を被告とする名誉毀損裁判です。これは杉田水脈議員が「ひぇっ、反日の研究に税金(科研費)が使われてるうぅぅ!」的なキャンペーンを張っていた最中に、なりゆきでフェミニストの牟田和恵教授とその仲間たちにターゲットを絞ったところ、牟田和恵さんらから名誉毀損で訴えられてしまったというもの

杉田水脈議員は、フェミニストとして「慰安婦」問題を研究する牟田和恵さんらを、

"ねつ造はダメです。慰安婦問題は女性の人権問題ではありません"

"国益に反する研究は自費でお願いいたします。学問の自由は大事ですが、我々の税金を反日活動に使われることに納得いかない"

といった言葉で誹謗中傷していたので、裁判に訴えられるのは当然なのですが……

第3回口頭弁論及び牟田和恵教授側の支援者集会で明らかになったのは、杉田水脈の呆れた言い分でした


ちょっとしたトラブル


この日の裁判は、3回目ということもあってか、はたまた寒いからか、1回目2回目に比べると傍聴者は少なかったです。抽選の数字の書かれたリストバンドも配布されましたが、結局、来た人全員が傍聴できることとなりました。それでも大法廷88席がすべて埋まったのですからたいしたものです

裁判に被告・杉田水脈議員は現れませんでした。出席者は代理人(弁護士)の2人だけ。まあ、これはいつものことです

さて、肝心の裁判はあいかわらずのアッサリ風味

第2回のときにも軽く書きましたが、民事裁判の場合、主張を口頭で述べるという建前のもと、期日前に裁判所に提出した準備書面を確認するだけというのが基本らしいです(口頭弁論のうちは。双方の主張が出揃ったら証人喚問が行われ、裁判らしい裁判となるそうです)

実際に第1回第2回とも、

「被告はこのとおり陳述しますね?」
「はい」
「原告はこのとおり陳述しますね?」
「はい」

というやりとりだけで閉廷していました

第3回であるこの日も、裁判長によってちょっとした話があっただけで、前回までと同じように終わるのかと思いきや……

「ちょっと待ってください」

原告代理人ーーつまり牟田和恵さんらの弁護士からストップがかかりました

原告側は本当に口頭で弁論しようとしていたのです

被告代理人「口頭でやるかどうかは協議するのでは?」
原告代理人「協議するのは、法廷で動画を流すかどうかです。口頭弁論するかどうかではありません」

どうやら被告代理人と原告代理人の間で行き違いがあったようですね

「動画」というのは、杉田水脈議員が出演し、牟田和恵さんらの研究を嘲笑したインターネットテレビや動画のことです。「言論テレビ」や「チャンネルAJER」などですね

この行き違いに、裁判官らは話し合いのため一端退廷。ものの数分で戻ってくると、「次からはもっと話を詰めといてください」と小言をもらしながらも、原告代理人の口頭弁論を認めてくれました


杉田水脈議員サイドの呆れた言い分


口頭弁論や裁判後の支援者集会でわかったのは、杉田水脈議員側の呆れた言い分でした

杉田水脈議員のTwitterやインターネット放送・動画での発言は、牟田和恵さんらの「社会的評価を低下させるものではない」というのです

よしんば社会的評価を低下させるものだったとしても、それは「論評の範囲」だと

つまり杉田水脈陣営の戦略としては、「社会的評価を低下させるものではない」という方にウェイトが置いているんですよね

……実はここまでは第2回の口頭弁論期日の支援者集会でもわかっていたことです

ここまででも充分に無茶苦茶なのですが、今回は「社会的評価を低下させるものではない」の根拠が判明し、それがまたヒドイのです

その根拠とは「杉田水脈議員の発言等は牟田和恵さんらを誹謗中傷したものではなく、ただの一般論だから」というもの

( ´゚д゚`)エー

ちょ、ちょっと待ってくださいよー

Twitterで牟田V.S.杉田のやり取りを追いかけていた方なら自明のことと思いますが、杉田水脈議員の発言の数々は、明らかに牟田和恵さんらを指していました

そこは議論の余地のない大前提だったはずです

それなのに、なぜ……

ここで杉田水脈議員は、右翼の歴史修正トリック「切り取り」を応用しているんですね


杉田水脈陣営は、なんと彼女自身の発言の一部を「切り取り」ました

杉田水脈議員の言葉をバラバラにし、前後関係を消失させ、文脈を無視することによって「一般論」を成立させようとしたのです

つまりは、杉田水脈議員らがやったのは、次の文章の2行目のみを抜き出しているようなものなんですね

《AとBが喧嘩した》
《AはBに「馬鹿は困る」と言った》
《Bは憤慨した》

上記の文章をバラバラにし2行目のみを「切り取り」すれば、Bに向けられた言葉なのか、それとも一般論として言っているだけなのかはわかりません。ただし3行すべてを読めば、その意味するところは明白です

杉田水脈陣営は、こんな子ども騙しに劣るトリックで裁判を戦おうというのです。僕はもちろん牟田和恵さんらを応援していますが、それでも杉田水脈陣営には「おいおい、もうちょっとしっかりしてくれよ」と言いたくなってしまいます

なにより可哀想なのが、牟田和恵さんらの代理人をつとめている方々です

牟田陣営の代理人たちは、杉田水脈議員の発言のひとつひとつについて、

「引用リツイートしながら書き込んでいる」
「牟田さんの論文を指で示しながら言っている」

といった具合に「これこれこーいう理由だからこの発言は一般論ではなく牟田和恵さんに向けられたもの」と証明しなくてはならないわけです

明々白々たる事実を証明することの、なんと徒労感の多い作業か……


以上のようなわけで、杉田水脈議員の名誉毀損が成立するまでには、2つのステップが必要となってきます

①杉田水脈議員の発言は牟田和恵さんらに向けられたものであるという証明
②その発言が名誉毀損の罪に本当に該当するのか立証する

杉田水脈陣営が変なことを言い出さなければ、②のみで済んでいたものを……

こんなもの時間稼ぎにしかならないと思うのですが、杉田水脈陣営はいったいなにを考えているのでしょうか?


おわりに


次回期日は4月20日15時30分

受付はたぶんそれより一時間くらい早いので、もし行く人がいれば、期日前に「フェミ科研費裁判支援の会」のホームページにアクセスしてください


えー、支援者集会の話で「おっ」となったところがあったので最後に紹介しておきましょう

秋林こずえ同志社大学教授によれば、「慰安婦」問題に関わるフェミニストが日本政府の推薦で国連等の国際会議に出席することは極稀なんだそうです

それは決してレベルが低いからではなく、その証拠に国連から直接指名され会議に出席することなんかはあるんだそうで

この一事をもっても、日本政府の「慰安婦」問題に対する態度の異常さがわかりますね