イマジニア株式会社というコンテンツ企業をご存知でしょうか?
たとえ知らなくても、この会社の発売したゲームの名前くらいは聞いたことがあるかもしれませんね
いくつか例を上げていきます
・銀河伝承
・シムシティ(日本版)
・メダロット
・漢検トレーニング
・すみすみ
・Fit Boxing
……と、スマホ向けからコンシューマーまで、なかなかのビッグタイトルが揃っています。サンリオやリラックマのスマホゲーなども出しているようですね
しかし、実はこのイマジニア株式会社、ゲームだけの企業ではないのです
・一流専門誌『野球太郎』、『中学野球太郎』の刊行
・漫画アプリ『まんがホット』の運営
・教養動画メディア『10MTV(テンミニッツTV)オピニオン』の運営
他にも日本のアニメやドラマを海外に配信するサービスなどもやっており、まさしく超一流企業といった趣があります
そんなイマジニア株式会社の運営するサイトが「歴史チャンネル」です。コラムの他に動画なんかも扱っているWEBマガジンです
歴史チャンネル
この「歴史チャンネル」が2019年10月、ホームページをリニューアルしました
以前からそういった感じがないわけではなかったようですが、リニューアル後は露骨にウヨい路線に入っており……
「歴史チャンネル」のここがウヨい!
では「歴史チャンネル」のどこがウヨいのでしょうか?
現在(2019.10.24)の「歴史チャンネル」ホームページにアクセスすれば、一目瞭然です
うわあぁぁぁヘ(゜ο°;)ノぁぁぁあああ
こ、こ、こ、コミンテルンハンターの動画だあああぁっ!
コミンテルン陰謀論(陰謀論です、陰謀論)を唱える江崎道朗さんは、今でこそウヨ評論家として一般向け書籍を刊行していますが、もともとは日本会議の人です
それもただの日本会議の一員ではなく、ゴリゴリの生え抜きーーつまりは前回お話しした衛藤晟一大臣と同じく日本青年協議会の人なのです
※日本青年協議会は、穏健化した「生長の家」を嫌い独立分派したウヨさんたちの一部。日本会議の実務部隊。機関誌に『祖国と青年』がある
ちなみに日本会議本がブームになる以前の江崎道朗さんの公式プロフィールは、以下のような感じでした(現在のプロフィールでは日本会議の名前を隠すことが多い)
"月刊誌「祖国と青年」編集長を経て平成9年から日本会議事務総局に勤務、現在政策研究を担当する専任研究員"
ここでいう"専任研究員"とは、日本会議シンパの国会議員連盟である「日本会議国会議員懇談会」での肩書きです
今はもう専任研究員ではありません。もっと大きな舞台へ、ということでしょう
本筋からは外れますが、比較の為、「歴史チャンネル」に記された江崎道朗さんのプロフィールを↓に引用しておきましょう。日本会議が世に知れ渡ってからは、基本的にこういう書き方をしています(例外はありますが)
"評論家、拓殖大学大学院客員教授。昭和37年(1962)生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。平成28年(2016)夏から本格的に評論活動を開始"
さらに言えば、江崎道朗さんは極右ホテルとして有名なアパホテルグループによるウヨ本称揚賞「公益法人アパ日本再興財団 アパ日本再興大賞」の第1回大賞受賞者でもあります
現代ウヨにおける王道中の王道こそ、江崎道朗さんなのです
そんな江崎道朗さんをリニューアル初っぱなの動画から起用するということは、「歴史チャンネル」は極右路線でいくと宣言しているに等しいわけですね
また、動画全編を見るには「テンミニッツTV on SANKEI」(月額1250円)に登録する必要があることからわかるように、ウヨ新聞として名高い産経新聞と提携してもいるのです
ウヨ路線の仕掛人? PHP研究所の川上達史
「歴史チャンネル」の動画はYouTubeでも視聴できます
歴史チャンネル(YouTube)
「歴史チャンネル」のリニューアルに合わせて公開された動画には、江崎道朗さんの他にも……
・宮脇淳子さん(「歴史チャンネル」で連載)
・中西輝政さん
・門田隆将さん &早坂隆さん
……といった名だたるウヨが顔を揃えています。そして、動画の全てに司会として見慣れない人物が登場します
それが川上達史さん
肩書きとしては「歴史チャンネル」の、そして「10MTV(テンミニッツTV)オピニオン」の編集長ということになっています
いったい何者なのでしょうか?
イマジニア株式会社の社員なのでしょうか?
いいえ、違います
川上達史さんの名前で検索すると、これまた有名ウヨである井上和彦さんとの対談動画(チャンネル桜)が出てきます
こちらの動画の概要には"PHP研究所学芸出版部副編集長"とあります
また、花田紀凱さん(『Hanada』編集長)と門田隆将さんによる共著『『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕』には、門田隆将さんの言葉としてこんなことが書かれています
"「花田 (紀凱) さんとの対談をお願いできませんか」
これまで数々の作品を一緒につくってきたPHP研究所の川上達史・新書編集長から、 そんな電話がかかってきたのは、 二〇一七年初めのことだ"
他には、渡部昇一さん、小堀桂一郎さん、石平さん、倉山満さん、ロバート・D・エルドリッヂさんなどの多くのウヨ本が彼の編集により世に送り出されていることが検索によって確認できました(探せばまだまだ出てくるでしょうが、とりあえずはこんなところで)
出てきた記事の時期によって役職はバラバラですが、彼が「PHP研究所」の人間であるのは間違いのない事実です
PHP研究所といえば、「経営の神様」松下幸之助さんが創設した出版社ですね
そのことから、普段あまり本を読まない人にビジネス書関連の出版社と誤解されがちですが、実はウヨと「スピリチュアル」に満ちた書籍も多く刊行している会社です
(そもそも松下幸之助さん自体ウヨ臭い。「全国神社総代会」の会長を長年つとめ、文部省の新学習指導要領に「君が代」を国歌に定めるよう盛り込まれた際には、これを強力に推進するよう当時の文部大臣に要望を出しています→参考:『戦後神道界の群像』)
安田浩一さんと倉橋耕平さんの共著『歪む社会』では、ネトウヨ本を出す出版社のうち"ビジネス系もしくは自己啓発系で右派の本も出す出版社"として分類されており、PHP研究所はその代表格として位置付けられています
そんなPHP研究所で編集者としてウヨい人脈を築き上げてきた川上達史さんを、イマジニア株式会社に引っ張ってきたのは誰なのか?
推測でしかありませんが、候補が1人みつかりました
イマジニア株式会社創業者・神藏孝之(神蔵孝之)
イマジニア株式会社のファウンダー(創業者)で、現在は取締役会長をつとめる神藏孝之さんが、その最有力候補です
なんとこの方、松下政経塾の2期生(同期に山田宏さん・松原仁さんという極右議員がいる)で、現在は政経塾の副理事長でもあるのですね
言うまでもなく、松下政経塾の創始者はPHP研究所と同じく松下幸之助さんです
そうした繋がりがあって、川上達史さんが「歴史チャンネル」及び「10MTV(テンミニッツTV)オピニオン」を任されているのではないでしょうか
おわりに
「歴史チャンネル」からイマジニア株式会社へのリンク("運営会社"をクリック)はあれど、イマジニア株式会社から「歴史チャンネル」へのリンクはないっぽい(たぶん)
イマジニア株式会社さんのホームページは無許可リンクを嫌っているらしく当ブログとしては珍しく配慮していますので、気になる方は「イマジニア株式会社」で検索してください