以前から当ブログでお伝えしている志教育プロジェクト&メキキの会ですが、関係者もやはり怪し……もとい、おもしろい人が多い印象です

先日Twitterで話題になった、安倍昭恵さんの「国母として生きる」発言を掲載されたブログ(https://gamp.ameblo.jp/bijuku/entry-11618289187.html)を運営されている内田裕士さんも関係者の一人ですね

志共育公認講師一覧

今回は志教育プロジェクトの執行役員である【佐々木孝さん】のお仕事と、それに付随して【レノンリーさん】の「武学」について紹介したいと思います


パワードスーツに匹敵する?「リライブ・シャツ」


志教育プロジェクト役員リストhttp://kokorozashi.me/organization/によると、佐々木孝さんは志教育プロジェクトでの仕事のかたわら、身体機能研究所という会社のCEOをされているのだとか

身体機能研究所ホームページ

身体機能研究所で佐々木孝さんは、なんとパワードスーツに匹敵するシャツを開発してしまったというのです

その名は「リライブ・シャツ」

パワードスーツが数百万円かかるのに対し、「リライブ・シャツ」をはじめとする「リライブ・シリーズ」なら9800円から……ッ!

まずはリライブ・シャツを紹介するこの動画をご覧ください

なんてこった!
信じられないくらい、すっげえパワーアップだぜぃ!
この動画がヤラセじゃなかったとしたら、本当にスゴイことです

たかがシャツで、なぜこんなパワーアップが可能なのか?

その秘密は2つあると佐々木孝さん・身体機能研究所は主張しています

それは"経路"と"武学の奥義"です

なかなかキテる主張なので、ホームページの説明から引用しておきましょう

経路
"古代中国医学では経絡という気の通り道を利用して体調を整えます"
"リライブシャツは体のいくつかの筋肉の上に特殊なテープを貼ることで経絡を活性化させています"

武学の奥義
"私(佐々木孝さん)の武学の師匠であるレノンリー氏"
彼は"言葉や思考、動作で人のエネルギーをコントロールする奥義"を教えている人でして
"リライブシャツはエネルギーコントロールの奥義も使っています"

怪し……いや、おもしろい説明ですね☆


リライブ・シャツは特許登録済み!


さっきは言葉を濁しましたが、やっぱり「怪しい」という感情は捨てきれません

リライブ・シャツの効用が佐々木孝さん・身体機能研究所の主張するとおりなら、本当に素晴らしいものです。できることなら信じたいのですが……

身体機能研究所のホームページでも書かれているように、特許には登録されているようですが、特許登録がイコール信頼に結びつけられるかは、まるで別の話でして

なぜなら特許では"学術論文のように実験方法に関しての審査などありません。いい加減な方法でやったいい加減なデータでも、問題ないのです。「こんな実験じゃ効果があるとは言い切ることはできないが、何となく効果がありそうな気がする」と審査官が思えばいいのです"ということらしいので

特許情報プラットホーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)で身体機能研究所と検索してみると、リライブシャツの全容がでてきます

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……が、僕が素人ゆえ、なにが書いてあるのかよくわかりません

本当は「ここの実験方法が○○だから××だ!」と断定できればよいのですが、それは僕の力量を越えています

特許情報から僕がわかるのは、佐々木孝さんの他に吉田雅人さんという人が発明者の一人に名を連ねている、ということくらい

この吉田雅人さん、「武学」を教える「一般社団法人 国際徳育協会」の理事長をつとめられていた人でして……


2人を繋ぐ人物・レノンリー


先にも述べたように、一般社団法人 国際徳育協会は、リライブシャツの原理でもある「武学」なるものを教えている団体です

国際徳育協会ホームページ

その理念は、"武学による徳育を通じて、全生命が調和した美しい未来を創る人財を育成することにより、人類の進化発展に寄与する"という、なんともスピリチュアルなもの
(もちろんスピリチュアルだから悪いと言ってるわけではありません)

理念だけを見れば崇高な精神で活動している団体のようにも見えますが、その活動内容を見ると、武学にまつわるあれやこれやを教え、武学講師としての資格を与える……いわば「資格商法」「講師商法」とでもいうべきものにすぎません

武学にまつわるあれやこれやのなかには、武術医療士検定(徳育医療士)なるものもあり、おそらくこの内容がリライブシャツにいかされているんじゃないでしょうか

そして、この武学を広めているのがレノンリーという人物です
佐々木孝さんがリライブシャツの説明で師匠と呼んでいた人ですね

レノンリーさんもまた、志教育プロジェクトの執行役員です。国際徳育協会の設立者でもあり、こちらでは現在、最高顧問をつとめられています

では武学とは何なのか?レノンリーさんとは何者なのか?
リライブシャツだけでなく、志教育プロジェクトが信用に足るかどうかは、このあたりも重要なポイントとなってくるかと思います

というわけで少し調べてみましょう


ここが怪しい、武学の宣伝文句


レノンリーさんや武学について語られる宣伝文句には、いくつかのキーワードが付随します

「一子相伝」であったり「世界中の著名人」であったり……とにかくなんとなくスゴそう、という雰囲気づくりに役立つキーワードです

ホンマかいな、というのが正直なところですが、なんとレノンリーさん、ご自分のサイトでこのカラクリを暴露しています

レノンリー公式サイト

「一子相伝」じゃない!

吉田雅人さんは武学のことを"2500年間、闇から闇に一子相伝で命がけで伝承されてきた"と表現しています

しかしレノンリーさんの公式サイトの「プロフィール」を読むと、どうもおかしい

まず、「レノンリー」というのは彼の本名ではありません
本名は李隆吉さん。韓国人の父親と日本人の母親をもつそうです
レノンリーというのは、いわば芸名。ジョン・レノンとブルース・リーのファンである彼が自分につけた名前だそうです

また、レノンリーさんが武学に出会ったのは、1992年、彼が21歳のときです。武学を教える武術道場に通い始めたのがキッカケだそうです

つまり、レノンリーさんが学びはじめたころには、すでに武学は一子相伝でもなんでもなかったんですね

僕はてっきり「レノンリーさんが一子相伝で受け継いだ秘技を大盤振る舞いでみんなに教えてるんだ!」と思っていたのですが、そうではないようです


「世界中の著名人」と面会したのは事実だけど……

公式サイトでも、レノンリーさんは世界中の著名人と会った経験を自慢しています

しかしこれは武学とは無関係

プロフィールによるとレノンリーさんはJCI、つまりは国際青年会議所に参加していました
その活動にかこつけて、アンソニーロビンズ(クリントン元大統領やジョージソロスにコーチングを行った人)やジョン・C・マクスウェル(ビル・ゲイツの師匠)などの著名人(?)に会いに行ったそうな

つまり武学を通じてそれら著名人に会ったわけではないということ

僕はてっきり「著名人から武学を教えてくれって言われて会ったんだろうなあ」と思ってたんですが、そうではないようです


「世界中の著名人」が武学を学んだ?

先にも示したように、レノンリーさんは武学を通じて著名人に会っていたわけではありません

で、あるにも関わらず、武学の宣伝文句には決まって「世界中の著名人が学んでいる!」的なことが書かれています

再び吉田雅人さんの言葉を引かせてもらえば、"過去には徳川家康、武田信玄、吉田松陰、ナポレオンなど
現代では孫正義、ビル・ゲイツなどが武学を活用しています"とあります

世界中の著名人どころか偉人たちまで総動員している感があってスゴイですね(この時点で一子相伝でないのは明らかですが、もうツッコミを入れる必要はないでしょう)

いったいどういうことでしょうか?

そのカラクリは、レノンリーさんの公式サイトから「孫子の兵法」に関わる記述を見れば明らかです

レノンリーさんは孫子のことを孫武・武学として紹介しています

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画像はhttps://bit.ly/2taSp6Pより

ようするに武学のエッセンスは「孫子の兵法」に通じるものであるとして、「孫子の兵法」を学んだと公言している人はみんな武学の徒としてカウントしているのですよ

ざ、雑ぅ……


そもそも武学ってなんだ!?→ニューエイジ運動なんだなぁ


あえて避けてきましたが、そろそろ武学についてちゃんと説明しておいたほうがよさそうですね

……と言っても、レノンリーさんの公式サイト等を読んでも、YouTubeでの説明の動画を視聴してもよくわからない、というのが本音です



これまで出てきた要素と合わせて考えてみましょう

・リライブシャツでの説明からして、東洋医学の一種であることは間違いない

・レノンリーさんと武学との出会いが武術道場だったことからして、東洋武術の一種であるのは間違いない

・「孫子の兵法」についての記述から、東洋思想の一種であるのは間違いない

……だというのに、レノンリーさんの公式サイトにある「武学とは」という項目では、"帝王学としての概念と技術"こそが武学であり、その目的は"徳の体得"であるというのです

帝王学と関係のありそうなものといえば、「孫子の兵法」くらいなものですが……武術や医学の要素はどこに行ったのでしょうか?

また、武学について調べていて頻出してくる文字列に「成功」の二字があります
それを端的に表しているのが、リライブシャツの佐々木孝さんとレノンリーさんの共著です。タイトルはそのものズバリ『成功ワーク』

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つまり武学は自己啓発の一種でもあるんですね

まとめると、武学とは「東洋(医学・武術・思想)的なものを混ぜ合わせた自己啓発」ということになります

一昔前の言葉で言えば「ニューエイジ運動」の一種といったところでしょうか


レノンリーと船井幸雄


本邦におけるニューエイジ運動といえば、前回の記事「伝説の陸上自衛官幹部・池田整治。彼の著作『マインドコントロール』を読んで戦慄する、の巻  船井幸雄系右翼が国防を担っていた!」でも触れたように、故・船井幸雄さんの存在を忘れてはなりません

レノンリーさんも御多分に漏れず、船井グループと関係をもっています

それがこちらのDVD『「孫子の兵法」の真実』シリーズ

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すでに3巻まででている人気シリーズですが、こちらを販売しているのが「51コラボレーションズ」という会社

51コラボレーションズは故・船井幸雄さんがつくった会社です。どんな感じの会社かは、ホームページを見れば一目瞭然かと……

51コラボレーションズホームページ

また、レノンリーさんは故・船井幸雄さんが創始した「にんげんクラブ」の講演にも登壇しています

レノンリーさんが故・船井幸雄さん本人と直接面会したことがあるかどうかはわかりませんが、少なくとも、2人の親和性が非常に高いことは間違いないでしょう


まとめ


先にも述べたように、リライブシャツの真贋を見定めるのは僕の力量を越えています
それと同じく、リライブシャツの根幹原理である武学の真贋を見定める力も僕にはありません

ただし、武学の宣伝文句の怪しさはわかりますし、武学がニューエイジ運動の一種であることもわかります

こうした人たちが集っているのが志教育プロジェクトなのだということは、もっと知られていいことだと思います