2018年12月25日クリスマス

とあるFM放送で改憲を訴える歌が流れました
その歌は、これまでの改憲ソングの常識を覆す先進的なものでした

特徴としては、とにかく「若い」ということ

現代的な曲にのせ、ラップ調に歌われるその歌詞は、中身はスカスカでも格好良く、エモいとすら感じさせられます

これまでの古臭い改憲ソングとは一線を画す、若さ溢れる歌なのです

「こんなところまで日本の『たのしいプロパガンダ』は進化したのか……」
と妙な感慨にひたりながら、その改憲ソングの背後関係をさぐっていくと……

やはり見えてきました

株式会社キャリアコンサルティングや日本青年会議所、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」ら右翼との繋がりが


古臭い歌ばかりだった改憲ソング業界


話の本題に入る前に、すこしだけ既存の改憲ソングを振り返ってみましょう

ジャンル……というには数が少ないのですが、YouTubeでもいくつか確認できます

もっとも有名なのが中曽根康弘元首相のものでしょうか
中曽根さんは言わずと知れた、日本に新自由主義を持ち込んだクソですね

育鵬社教科書の共著者だった元中学教諭、故・大津寄章三さんの『好きですニッポン われらのKENPO』は、去年ちょっとだけ話題になりましたね
大津寄章三さんは『健全な男女共同参画社会をめざす会』を率いフェミニズムバッシングで活躍したクソですね
この歌は愛媛県日本会議の改憲署名の現場で流れているらしいので、県民は要チェックです

マイナーどころでは北村維康さんの『日本の憲法変えましょう』なんてのもあります

自民党の「歌う議員」こと田村重信さん(通称:たむたむ)も最近になって新しい改憲ソングを出したらしいですね(2019年1月21日追記)


さてさて、紹介しておいてなんですが、上記の歌はどれも古臭く、現代の感覚ではとても聴けたもんじゃありません
(中曽根さんの以外は近年のもののはずなのですが……)

そんなお寒い改憲ソング業界に、超新星のごとく現れたのが「東京ダイアログEXE」の『にっぽんアップデート』です

(正確に言えば「東京ダイアログEXE」が企画、愛国ヒップホップグループ(笑)の「7th Continent Foundation」が歌・作詞、作曲は「DJ SERIO」です。7thなんとかさんも面白そうですが今回の記事ではスルーします)


聖なる夜に改憲ソング


「東京ダイアログEXE」の『にっぽんアップデート』が流れたのは、市川うららFM(I&U-LaLaFM) 83.0MHzの「ラジオとラジコ」においてです

市川うららFMは千葉県浦安市と市川市のコミュニティラジオ局のことです

問題の改憲ソングが放送されたのは2018年12月25日放送の「第281回 ★ 「クリスマス」」のときですね
アーカイブを残してくれているので↓から聴けます

パーソナリティはまだデビューしたての声優・森友莉世さん
いわゆる萌え系の声とは違いますが、自然な可愛らしい声が素敵ですね

「東京ダイアログEXE」のメンバー・川端隆拓さんは15:23からの登場です

この番組には11月に引き続きお呼ばれしているようですね

曲は19:00からですが、「そこまで聴いてらんねぇよ!」という人のために「東京ダイアログEXE」がYouTubeにアップしている動画を埋め込んでおきます


先にも述べたように中身がスッカスカなので、したがって歌詞へのツッコミどころも少ないのですが、すこしだけ……

"汚い大人になりたくねぇ"

自己満足のために改憲したがるジジイどものことかな?(すっとぼけ)

"シソウコジラスロウジン大繁殖"

自己満足のために(ry

"協和を掲げ"

五族協和キタ━(゚∀゚)━! 満州!満州!

"皮肉な平和を享受"
"日米安保条約"
"決して9条のおかげでなく"

だーかーらー、憲法は国の権力者を縛るためのものなんだってば
他国からの脅威をどーとかそういうもんじゃないの
比較するもんが間違ってんだよ
わかってて馬鹿騙くらかすため言ってんだろうけどさあ
それと、うちの国から他国に攻めこまず、結果として平和だったのは9条のおかげだかんな


東京ダイアログEXEについて


さあ、いよいよ核心に迫ってきました
彼・彼女らが何者かさぐるため、まずは「東京ダイアログEXE」のホームページを見てみましょう

東京ダイアログEXE

ホームページには"10代~40代ぐらいの、さまざまな業種の人が集まるオンラインサークルです。(中略)日本を良くしたい、今の社会や地域で、こうなったらいいのにな、という気持ちを繋ぐイベントを開催しています"とあります"

ほおほお、「一見すると」なかなか良さそうな団体です。少なくともファナティックな主張をするような団体には見えません
あるていどウヨウォッチングに慣れている人なら"40代ぐらいの"でピンとくるかもしれませんけど、とりあえず今は置いときましょう

憲法改正ソング『にっぽんアップデート』は、彼・彼女らのサークル活動の一環から生まれたようです

メンバー一覧(https://www.tokyodialogexe.com/member)を見ても、「一見すると」なかなか格好の良い方たちで、ぱっと見オシャレな雰囲気が醸し出されています
これまたファナティックな主張をするような団体には見えません

こういう人たちが改憲を訴えているのなら、昨今巷を賑わせている日本会議のようなカルト宗教的なものではないのだろうと、そう思っちゃいますよね

ところがドッコイ、そうは問屋が卸さない

メンバーひとりひとりを調べていくと、あやし~経歴が浮かび上がってくるんですねえ


メンバーは「美しい日本の憲法をつくる国民の会」・「株式会社キャリアコンサルティング」・「龍馬プロジェクト」・「日本青年会議所」・「ただのネトウヨ」


2019年1月5日ホームページで確認したメンバーは以外の人たちです


岡田日美子さん(美しい日本の憲法をつくる国民の会)

元在特会で元チャンネル桜社員、そして現在は日本会議の別動隊である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」と関係が深いという、サリバン先生もお手上げの三重苦を背負った人

「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のYouTube動画(KAIKENチャンネル)をつくっている人ですね

また、彼女は合同会社 燦PROJECTを経営しており、そこではウヨいグッズを発売しています
そのうちのひとつ「日本国憲法凄録(スゴロク)」は、「美しい日本の憲法をつくる会」の全国大会で資料として配られました


川端隆拓さん(株式会社キャリアコンサルティング広報)

ラジオでは気さくなお兄さんといった感じの方でしたが、彼、実はウヨ会社の「株式会社キャリアコンサルティング」の職員なんですね

「株式会社キャリアコンサルティング」は人材育成と称して次世代のウヨを育てている「ウヨ界の虎の穴」みたいな会社です(しかもそれで金とってんだから面の皮が厚い)
就活のやり方やビジネスマナーを学ぶセミナーを受けにいったらウヨに洗脳された……なんてことがあるので若者は注意が必要です

セミナー勧誘の方法も強引で、そちらでも問題になったことがありますね

若者にウヨいことを演説させてジジイどもを悦ばす「くにまもり演説大会」が有名です(ちなみに2018年の優勝者は青山繁晴さんの秘書でした)


山崎マヤさん(龍馬プロジェクト会員)

彼女のhttps://valu.is/users/feed/2741388を確認すると、神谷宗幣さんの「龍馬プロジェクト」に参加しているようですね

神谷宗幣さんは「イシキカイカク.com」なども運営する有名ウヨですね。KAZUYAさんとよくつるんでる、と言えばウヨウォッチャーでなくともピンとくる人は多いでしょう


松原輝和さん(日本青年会議所)

この方、あの日本青年会議所で2018年の監事をつとめられていたんですね
2016年には国家グループ憲法意思確立委員会委員長だったとか

日本青年会議所は青年が社会貢献する団体……のはずが様々な事件を起こしたり極度にウヨかったりして、なんだかなあって感じのとこです

普通、青年といえば30歳までですが、日本青年会議所は40歳まで受け入れてくれます
だから若者の団体を装ってるのに「40代ぐらいも活躍してますよー」とのたまうウヨ団体があれば、こいつの関与をまず疑うべきです(←偏見)

かつて日本青年会議所といえば「女体盛り」とか「銀行をぶっ潰した」とかがセットで語られたもんですが、最近ではなんといっても「宇予くん」ですね

「宇予くん」は日本青年会議所が憲法改正を訴えるため正体を隠してつくったTwitterアカウントです
いわゆる炎上商法というやつで、「宇予くん」は中国や韓国へのヘイト発言を繰り返していたんですね
その正体がバレたときの日本青年会議所の慌てぶりときたら、今思い出しても笑いが込み上げてきます

「宇予くん」事件についてはこちらが詳しいです


生方太郎(ネトウヨ)

彼は検索しても何もひっかかりませんでした
彼のTwitterを見てもただのオタク系ネトウヨですし

はやく逃げ出すんだ生方くん、手遅れになっても知らんぞー

(2020.5.12追記)……と思いきや、どうも彼の父親は中川昭一や麻生太郎のマブダチだったそうで。生方くん、サラブレッド右翼じゃん!

東京ダイアログEXE=にっぽん憲法プロジェクト


東京ダイアログEXEはとあるプロジェクトに関わっています

それが「にっぽん憲法プロジェクト」

特に岡田日美子さん、川端隆拓さん、山崎マヤさんの3名は、「にっぽん憲法プロジェクト」の開いた記者会見の現場にいたこともあり、この団体の中枢だと言ってもいいでしょう
(この記者会見には「宇予くん」事件の主犯とされる日本青年会議所の黒川明さんもいて草生えるw)

さて、この「にっぽん憲法プロジェクト」、かつてはれっきとした団体だったのですが、あるときから「もはや団体は解散してプロジェクトになったのだ!」などとわけのわからないことを供述しており……

おそらくこれ、「うちら東京ダイアログEXEはプロジェクトとして「にっぽん憲法プロジェクト」に関わってるだけだしー。「にっぽん憲法プロジェクト」とは別の団体だしー」というふうに装うためでしょうね

なにしろ「にっぽん憲法プロジェクト」のことが新聞記事などで報道されると、怪しい連中だということが即バレして悪名が知れ渡りましたから

こんな小細工してもメンバーが名前を変えないかぎり意味ないんですけどねえ


感想


東京ダイアログEXE派か山口采希さん派かと問われれば、ダンゼン山口采希さん派
(山口采希さんは産経のPRモデルをつとめているウヨい歌手です)