「協和協会」と「時代を刷新する会」のはじまり


安倍晋三さんの祖父である、「昭和の妖怪」こと岸信介元総理(A級戦犯)
彼が1974年12月に設立したゴリゴリのウヨ系シンクタンクが財団法人「協和協会」(http://www.kyowakyokai.or.jp/index.html)である(2013年に公益財団法人化)

ホームページによると「協和協会」は"戦前・戦中・戦後に政・財・官・学・民の各界指導者クラス"をメンバーとして集めて始められたシンクタンクなのだとか
まさにドリームチームなわけだが、実際的な活動においてはむしろそれが祟った

指導者クラスのおじいちゃんたちには実務能力がなかったのである

好き勝手に自分の意見を述べることには長けていたが、それをシンクタンクとしての意見にまとめあげる能力に欠けていたわけだ
このため「協和協会」は機能不全に陥ってしまう
(戦前・戦中・戦後の日本の上流階級がいかに無能集団だったかが示唆されているようで興味深い)

そこで岸信介さんは、1978年に事務執行役員として若き文筆家・清原淳平さんを迎え入れた

ここから「協和協会」は本格的な活動をスタートさせるわけだが……じい様たちのピーチクパーチクはとどまるところを知らず、清原淳平さんの負担が大きすぎた

結果、清原淳平さんは岸信介さんに泣きつくことになる

そこで「協和協会」を補完するため、指導者クラスだの年齢だのにはこだわらず、とにかくデキる連中を集めて1981年10月に政治団体「時代を刷新する会」(http://www.jidaisassin.jp/index.html)が組織されたのである

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両団体を祝う安倍シュショー。画像はhttp://www.jidaisassin.jp/img/2018/h30-0115w570demp.jpgから


岸信介さんの協和協会での活動を、清原淳平さんはこう振り返っている

"戦前、戦中、戦後に活躍した指導者クラスが集まり、敗戦した原因は何かを議論した。政、財、官、学、民、軍の調和・融和ができず、軍の暴走を招いたことが最大の原因だったと総括した"
(朝日新聞取材班『この国を揺るがす男 安倍晋三とは何者か』より)

そこには敗戦の反省はあっても、侵略への反省はなかったということだ

初期メンバー


「協和協会」初期メンバー
「時代を刷新する会」初期メンバー

両団体の初期メンバーを見比べてみると、「時代を刷新する会」のほうは僕でも知っている名がちらほらある
(「協和協会」のほうはさすがに古い人が多すぎて……)

当時の若手・中堅改憲論者たち、といったところだろうか

戦後ウヨ界の顔役だった黛敏郎さんをはじめ、いまだウヨに根強い人気をもつ「石井式漢字教育」の石井勲さん、せっかく貴重な資料をさがしあてたのにWGIP病に罹患した江藤淳さん、さらには小田村四郎さんや加瀬英明さん等々。ギャグ枠として落合信彦さんの名前まである

竹田五郎さんや「有末機関」で知られる有末精三さん(日本郷友連盟)のように両団体に参加している人も当然いる

なお、「協和協会」と「時代を刷新する会」の創成期のトップスリーは同一である

会長:岸信介さん
理事長:植竹春彦さん
常務理事 兼 事務局長:清原淳平さん


現在のトップスリー


そして現在の両団体のトップスリーなんだが……これにはちょっと驚いた

代表 兼 会長(代行):岸信夫さん
代表 兼 理事長:半田晴久さん
代表 兼 専務理事:清原淳平さん

岸信夫さんは、まあいい
岸信介さんの孫で安倍晋三さんの実弟なので、正統後継者といったところだろう
(生まれて半年もたたないうちに安倍家から岸家に養子に出されたので、シンゾーさんとは名字が違う)

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画像はhttp://www.kyowakyokai.or.jp/pdf/digest-kk27.pdfから。血統をヨイショしてんの気持ち悪い……というか身内にこの言葉遣いはなんやねん


問題は半田晴久さんだ

半田晴久、別名・深見東州さんといえば、新宗教「ワールドメイト」の教祖様である

その邪悪さは「中国・韓国・北朝鮮 闇組織粉砕!」なるヘイトまみれな形代を信者に発売していたことからもうかがい知れる

ワールドメイトと形代についてはカルト新聞さんを参考:http://dailycult.blogspot.com/2017/01/blog-post_25.html?m=1

半田晴久さんが「協和協会」・「時代を刷新する会」の理事長になったのは2002年からである

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半田晴久さんが理事長なことは一部で有名だったらしいが、僕は前の記事で調べていてはじめて知ったので衝撃的だった


しかし、ここで「岸信介の遺産がワールドメイトに乗っ取られた!」と思ってはいけない

なぜなら事務執行役員の清原淳平さんが、あいかわらず専務理事だからである

ホームページに公開されている「協和協会」・「時代を刷新する会」の講演会案内書の文責が清原淳平さんであることからして、両団体とも実質的には彼が切り盛りしている団体なのではないだろうか

また、清原淳平さんは「新しい憲法をつくる国民会議」(=自主憲法制定国民会議)と「新しい憲法をつくる議員同盟」(=自主憲法期成議員同盟)の実務執行役員も岸信介さんから託されており、現在「国民会議」では会長をつとめている


役職者たち


「時代を刷新する会」はホームページに公開していないようなので「協和協会」だけを列記していく
(参照元:http://www.kyowakyokai.or.jp/disclosure/01-01.html。2018年12月27日確認)

理事:安達眞五さん(元・警察官僚)
理事:浅海保さん(元・中央公論新社社長)
理事:渥美和彦さん(日本統合医療学会名誉理事長)
理事:大野松茂さん(元・自民党衆議院議員)
理事:大日方鴻介さん(現代日本書家協会会長)
理事:坂井溢郎さん(全日本漁港建設協会 名誉会長)
理事:坂本忠彦さん(元・建設省)
理事:多村繁樹さん(元・京王プラザホテル社長)
理事:貫名基信さん(ナカシマホールディングス㈱副会長)
理事:浜野潤さん(元・内閣府)
理事:堀渉さん(岸信介の元側近秘書・新しい憲法をつくる国民会議理事長)
理事:松本治男さん(元・警察官僚)
理事:若林克彦さん(元・国士舘大学学長。「絶対緩まないネジ」の開発者とは別人)

監事:清水明夫さん(元・国税庁長)
監事:前田順二さん(会計事務所代表)

評議員:井部秀恭さん(元・三井信託銀行)
評議員:小田垣祥一郎さん(元・警察官僚)
評議員:小野正文さん(元・建設省)
評議員:尾崎保生さん(株式会社電脳社長)
評議員:川阪進治さん(アジア太平洋経済環境研究会会長。朝青龍の後援会会長だった人)
評議員:小林節さん(元・埼玉県の高校の校長。あの小林節とは別人)
評議員:関田泰慶さん(東北大学名誉教授)
評議員:田中敬皓さん(伊那木材株式会社相談役)
評議員:田畑日出男さん(いであ株式会社会長)
評議員:中田晴弥さん(地熱技術開発株式会社)
評議員:橋本久義さん(元・通産省。政策研究大学院大学名誉教授)
評議員:坊直子さん(元・童画家)
評議員:宮﨑万壽夫さん(元・青山学院大学大学院法務研究科長)


むむむ……わりと普通っぽい人が多いかな?川阪進治さんあたりは掘ると面白そうだけど
あと理事の渥美和彦さんからはマッドサイエンティスト味が。監視社会ぃ……
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活動


「協和協会」と「時代を刷新する会」の活動は大きく分けて2つある

各種の部会・委員会活動とほぼ毎月開かれる講演会だ

部会・委員会活動は両団体が協力してやっているようだ。ここいらは「時代を刷新する会」の設立経緯からして当然の話なのかもしれない

しかし部会・委員会活動についてはあまり気にする必要はないと思う
かつては部会・委員会での研究成果をまとめ、政府への要請書としてせっせと送っていたが、2012年以降はパタリと止まっている

ただし「協和協会」で真っ先につくられた部会であり、かつて戦後教育批判の最前線に立っていた教育部会はまだちょっと気になる存在である

なぜなら全教協(全国教育問題協議会)のサイトhttps://bit.ly/2EUtRXHでは、日本会議や日本教育文化研究所、日本弘道会などと並んで「時代を刷新する会」・教育部会が協力団体ととしてあげられているからだ
(その他の協力団体は全日本教職員連盟、日本教育者会議、全国連合退職校長会、民間教育臨調)

休眠状態の部会も多いが、一応、列記していく(〇はシンポジウムなどで頻繁に活動中)

・教育部会〇
・科学技術部会(環境技術委員会、新エネルギー委員会、発明検討委員会、政策課題委員会)〇
・安全保障部会
・政治経済部会〇
・医療福祉部会
・交通部会〇
・国際親善部会
・伝統教育部会(旧枢密院建物保存委員会、伝統芸術支援委員会、歴史人形館促進委員会)
・世界を知り日本を知る研究会
・「鎮魂と平和の苑」事業


注目したいのは毎月の講演会だ
これについては以前少し書いている


講演会は基本的にそれぞれの団体でやることが多いようだが、両団体が共同で開催したりもする

長い歴史があるので一人一人列記することはしないが、講師にはお役人とアレな人が半々くらいな印象。アレな人のなかには統一協会系ビューポイントの常連さんもチラホラいる

「協和協会」月例講話会http://www.kyowakyokai.or.jp/lecture/01-01.html
「時代を刷新する会」月例講話会http://www.jidaisassin.jp/lecture/lecture-top.html

今はどうかわからない部分はあるが、10年ちょっと前はこの講演会もけっこう儲かっていたらしく、ここで儲けた金が「新しい憲法をつくる国民会議」と「新しい憲法をつくる議員同盟」に流れていたとして赤旗が問題にしたことがある

前述したように、資金が流れた先の2団体も清原淳平さんの関連団体である

今もこうした資金の流れが存在するんだろうか……


感想


トップスリーは別にして、役職者たちに見慣れたウヨ連中がいなくて寂しかった
もしかして現在の改憲勢力のなかでは穏健派だったりして?