以前お伝えしたウヨ教育「子ども古事記プロジェクト」は、全国各地でプロジェクトチームを発足させたり、山梨県甲府市の愛郷教育イベントに参加したり、長崎や宮崎の小学校で授業したりと順調に活動の幅を広げているようです

プロジェクトの代表である小坂達也さんは、自身のことを「右でも左でもない」と定義しているようですが、神武天皇が日本をつくったと語り、それを歴史的事実として小学生相手に教えていることからして、明らかにウヨい人です

また、モラロジー関連や倫理法人会、神谷宗幣さんとの繋がりもある人物で、これも気になるところであります

にがりブームの火付け役として日本中を席巻した過去もあるネットビジネス黎明期の雄であった小坂達也さんは、「子ども古事記プロジェクト」以外にも多くのビジネスを手掛けています

健康食品販売やリノベーション、瓦工事に動画製作、そして神道関係の事業……マルチに活動する実業家なのです

もしそれらの事業がうまくいっているのなら、お金がないわけがありません

それなのに「子ども古事記」プロジェクトでは常にボランティアを募集しています
クラウドファンディングによる資金集めにも積極的です

実は事業がうまくいっていないのか、あるいは労力やお金を出させることによって得られる効果を期待しているのか……

たとえば悪徳系新宗教の教祖は、信者から労力やお金を搾り取ることによって、その地位を絶対的なものにします。信者は「自分がこれだけ応援してるんだから、教祖様はスゴイ人に違いない」となってしまうんですね

さて、今日は成立したばかりの「子ども古事記プロジェクト」関連のクラウドファンディングについて話します

(追記:小坂達也さんが日ユ同祖論者&フリーメーソン陰謀論者であることが判明しました→http://payoyomaru.livedoor.blog/archives/20080344.html)


クラウドファンディングの成功


2018年12月「子ども古事記プロジェクト」は新たなクラウドファンディングに挑戦し、またたくまのうちに目標の100万円を達成しました(募集は12月28日まで)

クラウドファンディングの目的は「子ども古事記プロジェクト」で使用する道具の製作です

製作するのは2点

「八百万の神オラクルカード」と、それを使った遊び「神並べゲーム」のための「神並べシート」です

どちらもすでにある製品の追加製作ですね


・八百万の神オラクルカード

八百万の神々が美しいイラストで描かれたカードです
2018年12月23日現在は品切れとなっていますが、以前はAmazonで5000円くらいで買えました

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画像はAmazonより。今回のクラウドファンディングで復活しないだろうか……(ちょっと欲しい)


オラクルカードはタロットカードのようなものだと思っていただければだいたいあってます
ようするにカードの並びなどからメッセージを読み取る「リーディング」の道具ですね

八百万の神オラクルカードには、ありがたーい「神勅」も書き込まれているので、高度なリーディング技術は必要とされないのかもしれません

八百万の神オラクルカードの「神勅」は道徳的な言葉らしく、それゆえに小坂さんは「これは教育にも役に立つ!」と主張しているわけですね

この古事記オラクルカードを皇學館大学がつかうことが決定しているらしいです

なお、この八百万の神オラクルカードの開発にも、クラウドファンディングがつかわれています(支援者644名、集まった金額は5,722,000円)


・神並べシート

古事記オラクルカードをつかった「神並べゲーム」で使用するシートですね

神並べゲームで遊ぶ小学生たち。皇學館大学の学生さんたちもこれやるの?

正直、どこが楽しいのか理解できないゲームですが、子どもたちはまあ楽しそうに見えなくもないですね
ゲームの勝利者には景品が与えられるらしく、子どもたちはただただ物欲につられて興奮しているだけのようにも見えますが、まあ、たぶん神道的にはオッケーなのでしょう(金銭欲に直結する神様も日本にはいますし)


クラウドファンディングの概要文


小坂さんの書いたクラウドファンディングの概要文には、ウヨい人がよく使う論理でいっぱいです
見事なくらいテンプレな文章ですので、以前書いた記事とかぶるところもありますが、ちょっと見ていきましょう


・古事記は素晴らしい論

"古事記には親子の絆、兄弟、夫婦、仲間に対する感謝や尊敬、愛に包まれた話がたくさんあります"

正直な話、ここからしてよくわからないんですよね
たしかに現代誤訳されたものを読むと面白くはあるのですが、登場してくる神様たいていロクデナシだと思うんですけど……


・神話を失った国は滅びる論

"神話を失った国は、100年で滅びると言われています。さすれば、残された期間は27年しかありません"

これは誰が言った言葉なのでしょう?本当にそんな国があったんでしょうか?そしてなぜ神話を失うと滅びるのでしょうか?根拠が示されていません

たしかに市民・竹田恒泰さんが『現代語古事記』の序文において、トインビーの残したとされるこんな言葉を引いています

 "12、13歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる"

だがしかし、国会図書館レファレンス協同サービスによると、これは出典不明な謎文章にすぎないんですね


・国際化する社会だからこそ日本の神話を知っておかないとね、そうじゃないと外国人に馬鹿にされちゃうよ論

"(自分の国の神話を)何も知らない日本人がいることに多くの外国人は驚くでしょう…"

たしかに自国の神話を教えている国はあります。そうした国の出身者からすれば、日本は奇異にうつることでしょう
ですが、驚かれたからどうだというのでしょうか?
外国の方と付き合ううえでなにか問題が起こるとでもいうのでしょうか?
起こりうるとすれば「自分が神話をもたないゆえに、他国の神話を馬鹿にする」事態が想定されますが、それは人権教育の範疇です。神話を学ぶ必要はありません

もしも「こいつ自分の国の神話も知らないのかよ!」と馬鹿にしてくる外国人がいたとすれば、そいつこそ多様性を認められない危険人物ですので、付き合いを考えたほうがいいでしょう


・歴史が長い=日本スゴイ

これは小坂達也さんお得意の論理ですね
モラロジーの外郭団体である「日本道経会」での講演でも飛び出した論説です

"では、日本は建国してどれくらい続いているでしょう?
実は世界一長く続いているのです。
 1位:日本→2678年
 2位:デンマーク→約1000年
 3位:イギリス→約900年
断トツトップです。
さらにそれだけではありません。
世界で唯一、建国以来一度も滅びた事のない国、それが日本なんです"

たしかに日本は歴史の長い国ではあります
だがしかし、なーんで神武天皇から数えてしまうのか
自国には神話を持ち出すくらいのユルユル基準なくせに、他国には王朝の移り変わりを認めない厳格さはいかがなものか
また、日本の歴史=天皇の歴史としている点も気になるところです


おわりに


前述したように、今回のクラウドファンディングは製品の追加製作のためです

では、なぜ追加製作が必要なのか

"全国の子どもたちが集まる幼稚園や託児所などのコミュニティに八百万の神カードの寄付を行い、古事記を学べる環境を作ろうと"

このやり口、どうしても竹田恒泰さんの「竹田研究会」とかぶっているように思えますね

竹田研究会では『現代語古事記』を、厚顔無恥にも全国のホテルや旅館、小学校などに無料で送りつける事業をしています(しかも事業の運転資金は信者からの寄付です)

「神話を失った国は滅びる論」といい、もしかすると小坂達也さんは竹田恒泰さんの影響を受けているのかもしれませんね

竹田研究会では札幌市教育委員会から感謝状を送られているのだとか

もし小坂達也さんの『子ども古事記プロジェクト』まで教育界から評価されちゃったりすると、ぼくぁもう悲しくて泣いちゃうかもしれません