神社本庁の事務方トップである田中恆清総長が、2018年9月の役員会において職員宿舎不正転売疑惑に関する裁判について「和解したら?」と提案されブチギレ
「こんなに責められるんだったら僕ちん辞めちゃうよ!」
と総長職辞意を表明するも、10月になるとそれを翻した騒動があった

辞意撤回には、田中さんとともに「神社界のツートップ」と呼ばれている打田文博 神道政治連盟会長の力が大きく関わっていると言われる

不正転売事件には、打田さん関連の会社が絡んでいるため、田中さん退任によって問題を蒸し返されてはたまらないのだ

辞意撤回に不快感を示したのが、同年5月に新しく統理(神社本庁の象徴的存在)になった鷹司尚武さんだ
「お前辞めるって言ったじゃん!」てなもんである

そもそも鷹司さんが統理になったのは、前任の北白川道久さんが体調不良のため任期半ばにしてスッパリ辞任したため(北白川さんは10月に病死)
このため田中さんが地位に恋々としがみついている見苦しさへの不快感はことさら強いものがあろう

統理とは旧華族・旧皇族などが慣例的につく神社本庁の名誉職のようなもので、基本的に実務についての発言はしない
それでもあえて不快感を表明したのは、よっぽど腹に据えかねたからだろう

旧華族・旧皇族といっても現代はそれだけで左団扇な生活ができるはずもなく、鷹司さん自身かつてはNEC通信システムに勤めていた
感覚としては普通の民間人とそう違わないため、言を左右にする田中さんには素直に怒る

『週刊ダイヤモンド』2018年3月24日号によると、田中さんは統理の威光を盾にやりたい放題やっていた面があるという
田中さんの無茶を役員会で指摘したくとも、役員会には統理も出席するため、神社本庁反田中派の面々は「統理の前で俗な話はできない……」となっていたのだ
(これはこれで何時代だよ、って話だが)
田中さんはもはやそんな伝家の宝刀を使えなくなったわけだ

鷹司さんが不快の念をあらわにしたこと、また、それを神社新報が報じたことに田中さんをはじめ田中派は強く反発する

『週刊金曜日』2018年12月14日号によれば、田中さんサイドの職員は、鷹司さんのことを影で「あいつ」呼ばわりしているほどなのだとか
さらには内部事情に通じている幹部クラスの者にしか書けない内容の「神社真報」なる怪文書(神社新報の報道姿勢と鷹司さんを批判)も乱れ飛んでいるのだという

鷹司さんは天皇家に繋がる人物(昭和天皇の第3皇女の養子)なため、ただでさえ勢いづいていた神社本庁反田中派の人々は「なんでぃ、田中の野郎。不敬だぞ!」となった
(これはこれで何時代だよ、って話だが)

このため、神社本庁では田中派V.S.鷹司派の対立が深まっているという

鷹司さんは田中さんの早期退任を望み、年内にケリをつけようとしていたが、12月19日の役員会では田中さんを解任できなかったようだ

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「本日中の回答は難しい」と逃げる田中さん。テレビ朝日系列『グッド!モーニング』2018年12月20日より

話は前後してしまうが、田中さんは11月27日に「天皇陛下御即位三十年奉祝委員会」の代表世話人に就任している
この委員会は天皇代替わりにともない「天皇陛下御即位奉祝委員会」となるため、任期は新元号2年12月31日までとなっている

皇室を尊ぶ神社本庁の人間としては、天皇代替わりにケチをつけるわけにはいかないので、田中さん解任のハードルが上がったことになるわけだ


果たして今後どうなるのか……?


ちなみに鷹司さんは北白川さんから日本会議顧問の地位も受け継いでいる
慣例に従っただけなのか思想的な背景があるのか気になるところである


経緯


9月11日:
役員会。吉田茂穂常務理事が、係争中の裁判の和解を田中さんに求める
田中さんはブチギレて辞意を表明

10月3日:
役員会。田中さん、辞意を撤回し「任期を全うする」宣言。鷹司さんが「私は気持ち悪い」と批判的な発言

10月9日:
神社本庁荒井実総務部長から「総長はやめません!」という通達が全国各都道府県の神社庁長に出される

10月24日:
定例評議員会
辞任問題に関する動議が出されるも、田中さんは「辞意を表明するような発言はあったけど、正式なもんじゃねーし!」と逃げる
議長にも「評議員会はそんな動議をするとこじゃねーし!」と説明させる

11月27日:
田中さんが天皇陛下御即位三十年奉祝委員会」の代表世話人に就任

12月19日:
役員会。田中さんは進退問題について「本日中の回答は難しい」と取り合わず
(いやいや、お前、なに今日はじめて聞いた風なこと言ってんの?)


参考

・神社新報2018年11月5日号
・『週刊金曜日』2018年12月14日号