打田文博(うちだ ふみひろ)


神社界の政治部門を司る神道政治連盟(神社本庁の下部団体)の会長
それに関連して神社本庁の政策立案を担当する政策委員会の委員長も担当している(http://hiyoshikami.jp/hiyoshiblog/?p=369)


神社界のツートップ


打田さんは、神社本庁総長・日本会議副会長の田中恆清さんとセットで「神社界のツートップ」と呼ばれ神社界で恐れられている

「神社界のツートップ」による神社本庁の支配は2004年ごろからだという
2016年1月、初詣客を狙って「美しい日本の憲法をつくる国民の会」による改憲署名運動が全国の神社で展開され世間を驚かせたが、それを主導したのもこの「神社界のツートップ」である(https://biz-journal.jp/2018/11/post_25428.html)

まさに一心同体、といった感もある打田さんと田中恆清さん
しかしながら二人の力関係は対等ではない

そもそも"田中恆清を総長にした人物として衆目が一致するのが打田文博"(藤生明『徹底検証 神社本庁』)であった

これは田中恆清さんだけに限った話ではなく、"直近3代の神社本庁総長は打田氏が担ぎ上げたと言われる"というのだから驚きだ(https://www.asahi.com/articles/ASLCY52X9LCYULZU00P.html)

また、田中恆清さんが神社本庁職員宿舎不正転売疑惑にからむ元幹部2人との裁判沙汰が原因で神社本庁総長を辞めようとしたときには、
"田中総長が辞任しても、打田会長が居座り、その息のかかった人が次の総長となれば、事実上、いままでの体制とほとんど変わらない"(https://lite-ra.com/i/2018/09/post-4272-entry_5.html)
という声があがっていた(なお、田中さんの辞意は後に撤回されている。この辞意撤回にも打田さんの力が影響している)

さらに言えば、神社本庁の公用車の番号「8282」は打田さんの誕生日にちなんでつけられたのだという。神道政治連盟の代表番号も同じく「8282」だ
(『週刊ダイヤモンド』2018年3月24日号)

これらのことからツートップの力関係が打田>田中であることは間違いないだろう


打田文博、力の源泉


血筋が重要視される神社界において、打田さんは決して恵まれた出身ではなかった
静岡県の神職の家庭に生まれたものの、それだけだ。大神社の跡取りなんかと比べれば月とスッポンで、決して誇れるようなものではない
最終学歴も國學院大学(神社界二大学閥のひとつ。もうひとつは古事記オラクルカードを導入すると噂の皇學館大学)だが、それより前に東海大学を卒業しているため「純血種」とはみなされず、学閥を利用するにはいかにも弱い

では、なぜ打田さんはこれほどの力を持ち得たのか
それは打田さんが2000年に小國神社の宮司になるまでの20年間、神社本庁職員として渉外部一筋につとめあげたからにほかならない

藤生明『徹底検証 神社本庁』によると、神社本庁渉外部は神道政治連盟の事務局を担当しており、渉外部長は神道政治連盟の事務局長を兼任する慣例なのだという

冒頭でも述べたように、神道政治連盟は神社界の政治を司る団体だ
その目的は"世界に誇る日本の文化・ 伝統を後世に正しく伝えること"である(神道政治連盟ホームページよりhttp://www.sinseiren.org/shinseirentoha/shinseirenntoha.htm)
神道政治連盟と志を同じく国会議員たちにより「神道政治連盟国会議員懇親会」なる団体も作られている
「神道政治連盟国会議員懇親会」の現在の会長が安倍晋三であることからもわかるように、歴史的に自民党をはじめとしたウヨ政治家が多く在籍している団体だ

つまり、神社本庁渉外部はウヨ政治家とのパイプをつくるのに最適であるのだ
政治家との繋がりは、打田さんに圧倒的な資金調達力と政界にとどまらない幅広い人脈をもたらしたという
そして資金調達力と人脈は打田さんに発言力を与え、発言力は神社本庁における人事権を与えたのだ
 
渉外部でつくられた人間関係は、神社本庁を退き小國神社宮司になったあとも続く
打田さんは神道政治連盟の権力の階段を駆け上がりつつも、第一次安倍政権崩壊後の混乱期にもウヨ派を支え続け、ますますウヨ陣営の信用を得たのである

その人脈の広さは、福田富昭さんらとの繋がりからも明らかなように政界にとどまらない
打田文博さんの強権っぷりや人脈は、神社本庁職員宿舎不正転売疑惑田中恆清辞意撤回騒動靖国神社宮司交代劇などからも伺い知れる

こうして打田さんは現在の力を得たのである


主な役職


・小國神社(静岡県) 宮司

・日本会議代表委員

・日本会議の別動隊である「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の事務総長

・全国神社総代会によって設立された「公益財団法人日本興隆文化財団」理事(理事長は田中恆清さん。他の理事に内田智弁護士、評議員に高清水有子さんなど。「日本で唯一の皇室関連のビジュアル誌」『皇室』の発売元)

・昭和天皇を礼賛する「公益財団法人 昭和聖徳記念財団」 評議員